2007年7月27日金曜日

「コンセプト」を売れ?

■「モノ」売りからの脱却

 結論から言ってしまえば、営業の仕事とは、商品を売ることではなく、その商品をお客様が使うことで得られる「結果」や「メリット」、「コンセプト(概念)」を売るということ。

 世界的に有名なコンサルタント、ジョセフシュガーマン(Joseph Sugarman)も、

 Never sell a product or service. Always sell a concept.
 「決して製品やサービスを販売するものではない。いつもコンセプト(概念)を売るのだ。」


 と著書で言っている。

 では「コンセプト(概念)」とは何か?

 これはその商品やサービスを導入することによって顧客が得られる「結果」や「メリット」つまりは客の「笑顔と喜びを増やす」ということ。

 「モノ」売りからの脱却とは、製品やサービスそのものを説明して販売するのではなく、顧客に喜び(メリット)を売るということなのだろう。



しかし概念(コンセプト)や顧客に喜びを提供しろといっても何のことやら、よくわからんということになる。

それなら、売れる営業マンと売れない営業マンというかたちで表現すると。


●売れる営業マンと売れない営業マン

  ●売れない営業マンは、 

   「この商品を誰に売りつけてやろうか」を考える。


  ●売れる営業マンは、

   「この商品を使ってめちゃめちゃ喜んでくれる人、笑顔になる人は一体どんな人だろうか?」を常に考える。


  ●売れない営業マンは

   「商品のスペック」を一生懸命話す。

   例)デジカメの販売
   「こちらの商品は、先週発売されたばかりで、超人気商品です。
    700万画素で、バッテリーも長持ち、他社製品に比べてこんな点が優れていまして云々」
   ※これは、「デジカメという商品」を売り込もうとしている。


  ●売れる営業マンは

   「お客様が何故その商品購入を検討されているのか」という理由を聞き出して、
   「それだったらこの商品を使えばピッタリだと思いますよ!」と持っていく。

   例)デジカメの販売
   「先日生れた子供の写真を毎日撮りたい!」
    というニーズを聞き出せら、スペックをダラダラ説明するよりも、
   「毎日撮影し続ければ、可愛いお子さんの成長が後で見られるので、楽しみですね。デジカメだったら写真に慣れていなくても、フィルム代が無料ですから、何度でも取り直し可能ですし!何と言っても、赤ちゃんの時期は1回しかありませんからね。逃せないですよ!デジカメで可愛いお子さんの写真をバンバン取って、思い出にアルバムにしておいてくださいね!」とお客の笑顔を引き出すようにする。

●売れない人=説明マン 売れる人=営業マン

  ●説明マン
   商品の特徴やスペックのみを「説明」する人
   (相手の事情を無視する(気にしない)人)
   「何が欲しいのか?」を聞く程度のレベル

  ●営業マン
   相手の状況や要望を聞き、「それだったら」と商品活用の提案をする人  
   「それを買って何をしたいのか?」を聞く
   ホームページを導入して、それを活用している場面をお客様がイメージして、ワクワクするような提案をする。

とまあ、こんな感じなのであろう。

2007年7月26日木曜日

ローボールテクニック(承諾誘導の方法)

今日は自動車ディーラーでよく使われるテクニックを紹介します。

まず競合店よりも10万円ばかり安いことを購買客に伝えておく。

「他店よりも10万円安いという理由」(当初の理由)から、お客様はその自動車ディーラーを選び車を買うことになるのだが。

購入契約書に記入させられ、長期のクレジットが設定され、本契約などに署名捺印する前に
「どんな感じの車かおわかりになりますし、ご近所や職場の方々に見せることができますよ未来像)」
と、一度その車を試乗してみるように勧められる。

試乗の間、客が自分の購入判断や支払いの正当化を頭で考える時間を与えられる。
(お客様は、この間に、この車を購入する理由をいろいろ頭の中で設定するからである。購入の決断を色々な理由で正当化していくのが普通の心理、そして本来の理由以外に多くに理由が設定されることになる)

そして、計算上の「ミス」が発見される。

たとえば、エアコンの値段を加算するのを忘れていたとか、クレジット会社や事務の人間から計算ミスの指摘がされて、10万円上乗せする必要があるとか。。。

たとえば、販売員が上司に書類をチェックしてもらうと、その上司は「赤字になってしまう」のでキャンセルという指示がでる。。。

または、下取りの価格を10万円ぼど間違えて高い値段をつけたことにする。

あとたった10万円足せば車は手に入ります。
と競合店と同じ値段であることも強調され、おまけに「お客様がお選びになったのですから」といわれると、数百万の商談上では、この程度の金額は法外な要求には思えなくなり、他店と同じ金額で購入することになってしまう。

当初の理由が取り外されても、それ以外いろいろ設定した理由が決断の柱となるため、決断を変更しないのである。


ローボールテクニック「与えておいて取り上げる戦略」

①まず、喜んで買うという決定を誘い出すための有利な条件を提示する。

決定がなされてから契約が完了するまでの間に、もともとあった有利な購入条件を巧みに取りのぞく。

そして不利な選択をしたのにも関わらず、満足させることができたりするのです。
自分の選択と一貫性の保持による満足感が発生するから。。。

おそらく、今後、大きな買い物をするときに、このようなテクニックに遭遇することがあるでしょう。。。。。

2007年7月25日水曜日

顧客が契約破棄しないようにもっていく心理学的手法

クロージングではうまく行ったハズなのに、クールダウン後に解約されてしまうということはよくある話。

しかし、解約(契約破棄)をされない、ないしは解約率を非常に低く抑える手法というものが存在する。


■その手法とは?

至極単純なこと。

営業マンが記入するのではなく「お客様に契約書を書いてもらう」ことということです。

これにより、人は書いてしまったことに見合うように行動するため契約は破棄しづらくなる。


■米国でクーリングオフ法が施行されたときに

これは、米国で最初にクーリングオフ法が施行されたときの話です。

この法律によりクレジット契約を多用する多くの販売会社が契約を破棄されるようになり、大打撃を受けることになりました。

しかし、契約破棄の割合を劇的に減らすことができた会社があったのです。

その会社がとった手法とは、


まさしくお客様に契約書を書かせることだったのです。

また、この契約書を書かせるというコミットメントに労力が投入されれらばそれだけ、コミットした人に与える影響力が強くなる。(要するに「手間がかかればかかるだけ効力を発する」ということ)

したがって、客は面倒臭がるかもしれませんが、なるべく書類に書かせる(ハンコも自分で押させる)ことにより、コミットメントが派生し、一貫性の保持の法則が自動的に走り出す。。。。。

2007年7月24日火曜日

本当に都会の人は薄情で他人に無関心であるのか?

本当に都会人は薄情で他人に無関心であるのか?

確かに、何か厄介ごとには係わり合いになりたくないものではある。
しかし、見知らぬもの同士が集合すると一種の集団心理の罠にはまってしまうのではなかろうか?
つまり緊急事態を目にしたとしても、周りが反応しないと自分自身、それを緊急事態だと認識できないという現象が起こるということなのだ。

■集合的無知

誰かが道端で襲われていたとする、それを観てだれも助けようとしないという薄情なことが都会では多くある。

しかし、これは個々の人間が無関心であるからという理由だけではないと心理学者は言っている。

社会的証明の原理により、だれもが何もしないような状況では、何もしないことが正しいことであって、その出来事は緊急事態ではないと自動的に解釈されてしまうのである。=集合的無知の状態そしてこの集合的無知の効果は、見知らぬ人同士の間で最も強く現れるのだ。
   
したがって、人が集団になると援助をしなくなるのは、彼らが不親切だからではなく、確信がもてないからであり、緊急事態が本当に起こっているのか、行動する責任が自分にあるのかどうか、こうしたことに確信がもてないから、援助しないのである。


■どうすれば助けてくれるのか?

このような状況下では確信と責任をもたせることで人は行動に移れるので、多くの傍観者がいても、その中の一人を指で指し、「助けて」と援助を求める。

そうすると指された人間は、緊急であるということの認識と指名されたことによる責任を感じるようになる。

集団の中で助けを求める必要に迫られたら、そうすることで援助が得られるようになるのである。

2007年7月23日月曜日

社会的証明の原理

映画館で火災が起こる。。。。

非常灯が点いている出口にみんなが非難する。。。。

みんながみんな同じ行動をとるから、ほとんどの人がそれに引きづられる。反対側に非常灯が消えている非常口があったとしても。。。。


他人が何を正しいと考えているかにもとづいて、物事が正しいかどうかを判断するというのが心理学でいうところの社会的証明の原理。みんなが正しいと思っているのは「正しい」と思ってしまう。

セールスコンサルタント:キャベット・ロバートは
「自分で何を買うかを決められる人は全体のわずか5%、残りの95%は他人のやり方をマネする人達です。ですから、私たちがあらゆる証拠を提供して人々を説得しようとしても、他人の行動にはかなわないのです。」
と言っている。

社会的証明の原理によれば、どんな考えでも、それを正しいと思う人が多ければ多いほど、その考えは正しいことになる。

■犬を怖がる保育園児の矯正実験

犬を怖がる保育園児を選び出し、その子供たちに、小さな男の子が犬と楽しんで遊んでいる場面を1日に20分間見せた。

たったこれだけのことにもかかわらず。

わずか4日後に、部屋に誰もいなくなると、67%が、格子で囲まれた遊び部屋に犬と一緒に喜んで入っていき、そこで犬を可愛がり撫でまわすようになった。

そして最も効果があったのは、性別・年齢が異なる多くの子供が犬と接しているのを見た場合であった。

社会的証明の原理は、多くの人々の行動がその証明を与えるときに最もよく機能するということ。

■4人ぐらいいれば試せる

道端で立ち止まり1人空を見上げてみよう。それにつられて上をみる人はそれほど多くない。
しかし、4人が立ち止まり同じ方向の空を見上げていたらどうだろうか?まず、誰かが釣られてその方向を見る→そして他の誰かもその方向を見る→そして歩行者の殆どがチラッとわずかながらもその方向を見てしまうのである。そこに見るべきものがないのにも関わらずにである。見ることに重要な意味があると自動的に反応してしまうのだ。