認知すると言っても、
突然女性に「あなたの子供よ!」なんて言われて、
焦ったあげくの果てに、
子どもを自分の戸籍に入れるという話ではありません。。。。
心理学の話です。。。。
たとえば
「あなたの隣にいる人はどんなひとですか?」
と聞かれれば、
やさしい人とか、怒りっぽい人とか、いろんなふうに答えられる---
そんなふうに、あの人は「こんな人」と判断することを、「対人認知」といいます。
つまりあの人の髪は薄いとか、太ってるとか、赤い服を着ているとかいう外見ではなく、
性格など目に見えない内面の判断を対人認知と言うのです。
まるで「発掘のときに見つかる破片」と同じ
あの人はやさしい人だと判断するのは、
判断するだけの何かの材料はあるのでしょう。
でも、その人の全てを知っているわけではない。
「やさしい」という心の中を実際には見ることはできません。
もちろん、その人の行なったこと全てを見て、
やさしい人だと判断しているわけではない。
わたしたちは、ある人の全てを知っているわけではなく、
実際に見たり、うわさに聞いたりした、その人の「ごく一部を知っているだけ」です。
でも、そのごく一部のばらばらの知識をつなぎあわせて、
その人の全体像を、自分の中で「勝手に」組み立てる。
そして、あの人は、やさしい人だとか、いじわるな人だとか、結論づけレッテルを貼るのです。
つまり、たとえるなら考古学者が、恐竜の化石の骨の断片を集めて、
元の形を想像しながら組み上げるようなもの。
自分のもっている知識や動物の骨格を参考に、成形していく。。。。。
対人認知もそのように、特殊な心の色眼鏡(いろメガネ)を使って、
ばらばらの情報を集め、焦点を合わせて、一人の人の人間像を浮かび上がらせるのです。
ところが、この心のメガネは、いつも少し歪んでいたり、曇ったり、色(バイアス)が付いている(がかかる)。
わたしたちは、その人についてのいくつかの知識(情報)を客観的に組み立てるというよりも、
「自分なりに」組み立て上げてしまうものです。
恐竜や古代生物の化石の断片が発掘されたときも、
学者が想像しながらいろいろな生物像を作り上げますが、
これまでに、ずいぶん間違った生物の形を作り上げてしまったことも多いのです。
心のメガネの歪みは、その人独自のものもあるし、多くの人が共通して持っている歪みもあります。
では、その共通する歪み(バイアス)とはどのようなものなのでしょうか?
外見と対人認知
心理学でも指摘されていることですが、
イケ面や美人は、外見が美しいというだけで「いい人」と思われます。。。。
異性であるなら好意や好感を持つのは当然。。。。
薄汚れたTシャツに短パン姿で不潔なヤツよりは、
スーツでビシッとキメたクールなヤツの方が信用できる。。。。
でもマッチョやグラマーは、ある意味外見が美しいけど「いい人」というわけではなく、
違う意味で魅力的であったりしてしまうかもしれません。。。。
私の友人で、やたらと太った人に好感をもつ嗜好のひともいたりする。
んっ?それは関係ないか?
心のメガネ:共通の歪み(バイアス)
人を色メガネで見る。。。
なんて表現きいたことありますよね?
外見で判断してしまう場合の「心のメガネの歪み(色メガネ)」で代表的なものは、
1:服装(ファッション)
人を判断するとき(対人認知するとき)、まず見るのが外見です。
アメリカの実験でこういうものがあります。
公衆電話のコインの返却口にわざと10セント効果を置いたまま、次の利用者と替わる。
そして、その人が出てきたときに、「10セント硬貨がありませんでしたか?」と聞く。
このとき、同じ人が、同じことを言うのですが、服装を変えて実験したのです。
「立派なスーツ」か、「みすぼらしい服」か。
すると、高価なスーツを着ていたときの方が、10セントを返してもらることが多かったのです。
服装の違いによって、正直な人、依頼に応じるべき人というふうに、判断してしまったわけです。
服で人を判断するなんて、ちょっと情けない話ですが、
でも多くの人間は相手の服装によって対人認知の内容が変わってしまうものなのです。
服装(ファッション)による対人認知(こんなひとと思うこと)のほか、
代表的な心の色メガネは
2:顔、体格
丸顔の人、ふっくらした人は、やさしい。
目の細い人は冷たい。
やせている人は神経質。
わたしたちは、相手の外見から直感的に、
相手の内面を判断してしまうものです。。。。。。
もちろん実際は、ふっくらしていても、
やせていても、いろいろな人がいるわけですが、
でも私たちは外見からある性格を感じ取ってしまうのです。
そこで、ドラマやアニメではこの人間の認知の仕方を利用したキャラクター作りをしています。
明るくて人情味あふれる登場人物は、たいていふっくらとした体形。
冷静なコンピューター青年などは、細長い体形で、メガネをかけたりしている。
ゴルゴ13は、細い目に、太い眉で、見るからに冷静で意志の強い感じする。
3:美男、美女
外見が美しいと、内面も優れていると判断されるというのは、
心理学でも実証されており、以前ブログで話したこともあります。
美人は、頭もいいし、性格もいいと思われてしまうのです。
みんなが息を飲むほどのすごい美人の転校生、OL注目の二枚目新入社員などなど。
こんなすばらしい容姿の人を見ると、私たちは、
その人がやさしくてさわやかな性格で、頭が良くて、
英会話なんかもペラペラだし、スポーツや楽器が得意で、
勉強ができる、仕事ができるというイメージをすぐに作り上げてしまうのです。
小さな子どもでも、容姿の良い子どもは、内面も良いと見られがちです。
模擬裁判の実験でも容姿の良い被告への判決は、
甘くなりがちであったという事実がありますし。
ただ、皆にそう見られることによって、その波動の影響でそんな人格になったりすることもあるでしょうし、
そう観られていることを意識して、そのように振舞っているうちにそんな人格になる場合もあるのですが、
これはまた別の話です。
参考文献:
R.B.チャルディーニ著
影響力の武器[第二版]
他、心理学関連書籍
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