2007年8月23日木曜日

人間失格

人間失格 太宰治

太宰治の代表作「人間失格」の新装版が6月末の発行以来、約1か月半で7万5000部、古典的文学作品としては異例の売れ行きとなっている。

売れている理由は、その表紙を、漫画「DEATH NOTE(デスノート)」で知られる人気漫画家、小畑健氏のイラストにしたということ。

そして新装版は、「デスノート」の主人公・月(ライト)を思わせる学生服姿の男の子が不敵な顔で座るデザインとなっている。

同文庫編集部は「コミックを読む層が興味を示しているようだ。

若い読者に手にとってもらえれば」と話している。

とニュースでは記載されています。

ブログや掲示板では、このコラボが話題となっていたりしてそれも後押ししているようですが、本質的にはそのような事象だけが根本要因ではないでしょう。

つまり単に人気漫画家とのコラボをすれば本が売れるなんて安易な手法と考えるなということです。


この現象は感性マーケティングや行動経済学、顧客志向というものはどういうものかを説明する例としては格好の材料であるかもしれません。

では顧客志向や感性(心理学)的なアプローチで説明するとします。

この本を買う若年層になったつもりで考えてみれば、その答えが見えてきます。

「デスノート」はコミック・アニメとも大ヒットした。

ストーリー説明はここでは省くが、主人公である夜神月の死で完結している。

しかし、この漫画のファン層には若干の不完全燃焼があるのです。

もっとストーリーが続いて欲しいという欲求。

漫画もテレビアニメも終わったこのタイミングで、主人公の月が学生服姿で表紙を飾っている。。。

そしてそのタイトルが「人間失格」だ。。。

絵とタイトルとタイミングがコミックの「デスノート」との連続性・関連性を感覚的にとらえてしまう。
ある意味キャラクタとタイトルによるブランディングの一致(近似)といってもいいかもしれない。

この本を本屋で目にした瞬間にコミックファンに対しこれらが潜在意識ベースで興味や欲求のスイッチを押されることになる。

そして値段も手頃だ。。。

自然に手に取ってしまう。。。

つまり上記のようなことが根本的な要因と考えられるのです。


ひょっとするとこれがトリガーになって人気漫画家とのコラボが多くなるかもしれないが、初めのうちは珍しさもあり市場の反応があるかもしれないが、上記のようなある意味ブランドのマッチングが行なわれない限り有効ではないので一過性のものになり兼ねない。

だからこの現象を大事にしたいなら、出版業界ももっと慎重にコラボを検討すべきでしょう。
ってまだそんなトレンドは来てませんが。。。

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